ポテト入り焼きそば巡りの合間を縫って、足利市の「栗田美術館」に行ってきました。すごく楽しみにしていたので、朝いちばんに開館と同時の入場を狙います。
栗田美術館とは
江戸時代の肥前鍋島藩で生産された江戸時代の伊万里焼・鍋島焼だけを集めた陶磁美術館。創立者の栗田英男氏が集めたコレクションが大量に所蔵されており、伊万里焼・鍋島焼きをテーマにした美術館としては世界最大級になります。
場所は足利市郊外、あしかがフラワーパークの近く。ほぼひとつの山に数々の建物が配置され、それぞれを巡るスタイルです。
月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始は休館。入場用は一般1,250円、小中高生500円。
栗田美術館
http://www.kurita.or.jp/
辿り着くまで
関東平野の最北部、山岳地帯に入りかけというロケーション。車がないと行けないと思い込んでいたのですが、調べるとJR両毛線のあしかがフラワーパーク駅、もしくは富田駅からも徒歩圏内でした。
私は足利駅→富田駅→徒歩という行程。
無人駅の富田駅。懐かしい感じ。
67号線を西に向かってテクテク歩きます。午前9時過ぎというのに暑い。
途中に渋い蔵が。
栗田美術館の入り口です。富田駅から約10分でつきました。
開館時間より早くついてしまったので、入口近くの庭で時間をつぶしていました。緑がきれいで風が気持ちいい。
Googleマップの情報だと9時30分から開館時間になっていました。ただし私がうかがったときは時短のため10時00分からの開館。そのため30分時間をつぶしたというわけです。調べる時は公式の情報に当たらないとダメですね。
施設の様子
整備された小さな山全体が栗田美術館で、そこに点々と配置された建築物に展示があります。
とにかく広い。山の中なのでアップダウンも結構あり、足が弱いと厳しいかも。
庭園としてもきれいなので散策が楽しい。
ここが主な展示物が揃う「本館」。ここで大量の伊万里焼・鍋島焼きを観ることができます。内部は写真撮影はNG。
歴史や特徴に沿って展示された膨大な陶磁器が並んでいます。時代が下るにつれ徐々に変化していく作品を通して、職人の気負いと工夫が積み重ねられていく歴史を感じました。
「歴史館」にも大量の展示があります。こちらは海外への輸出物を通じて、当時の日本と世界の繋がりを教えてくれます。ここまで大規模な事業だったとは知らなかった。
この美術館でほぼ唯一屋内での写真撮影が許されている大壺の展示館。「歴史館」の中にあります。
欧州の邸宅で飾ることを目的としたもので、その大きさと細かい装飾に圧倒されました。「資料館」でも輸出産業としての伊万里焼について学べます。
途中には登り窯も。「へうげもの」で見たやつです。実際に使われているのだろうか。
今回は足を運びませんでしたが、ミュージアムショップの「阿蘭陀館」では現代の陶磁作品が販売されています。長崎出島にあった商品陳列所をモデルにしているそうで、美しい建物です。
感想
もともと地方美術館の陶磁器コーナーが好きで、いつも時間をかけて観覧しています。焼物そのもの造形に加えて、絵付けの意匠や色ぐあいなど、見飽きることがありません。特に皿をキャンバスに大胆なデザインがあしらわれたものを眺めるのが好きです。
そういった美術館の陶磁器コーナーを極限まで巨大化したのが栗田美術館でした。入館前はすぐ観終わるかな、とタカをくくっていましたが……結局3時間以上も滞在。ひとつひとつの作品から作り手のこだわりと当時の雰囲気が感じられて立ち去り難い魅力を放っています。人も少なくて(失礼)じっくり観ることができました。
まさに陶磁器好きには至福の時間を過ごせる美術館。次に来た時はもっと展示を堪能する時間を確保しつつ、ミュージアムショップで自分の陶磁器を選びたいです。