足の親指付け根が腫れ上がるなど、絵に描いたような痛風の症状に見舞われました。噂には聞いていましたがこの痛みは強烈。結果、いまも歩行困難な状態に見舞われています。
発症を自覚したのは3月18日のこと。以来4月14日まで22日間、部屋の外に出られませんでした。正確には2回会社に行こうとしたのですが、マンションの敷地内を出ることすらかなわず。22日間、外界に出ない記録を作ってしまいました。
その後、4月下旬からは仕事や交際の関係で仕方なく外出するようになりましたが、そのたびに症状がぶり返すなど、5月15日現在も一進一退を繰り返しています。GWは一歩も外に出ていません。
痛風による患部の腫れは2日くらいで引くのですが、患部をかばって変な歩き方や立ち方をしたのが悪かった模様。筋肉痛や関節炎が長引き、これが外出できない原因になっています(後述)。
一人暮らしなので誰も助けてくれず、動けないのにそれなりに生活していかなくてはならない。一人で生きていく不安定さを思い知りました。
以下、この顛末で気づいたことをメモしておきます。
目次
ネットとクレジットカードで生き延びる
後述するデリバリーサービスをはじめ、必要なモノはネットで購入でき、玄関まで持ってきてもらえます。その際必要なのはネット環境とクレジットカードだけ。一人暮らしで外に出られなくても何とかなることを知りました。
ただ、いくらAmazon.co.jpを見ても物欲は刺激されませんでした。私だけかもしれませんが、気力が落ちているときは物欲も落ちるモノなんですね。
痛んでいないもう一方の足を大事にする
こんなに長引いた原因は何かというと、仕事や交際でたまに出歩いたというのもあるのですが、基本的に初動が良くなかった。安静にしているようでしてなかったのです。
発症してからしばらく室内で生き抜くと決心。が、愚かにも発症していない方の左脚を酷使し、あろうことかその脚でケンケンして室内を移動するという暴挙に。基本的に寝たきりとはいえ、トイレに行ったりケータリングサービスを受け取り行くときにはどうしても室内での移動が生じます。その際、無事な脚でぴょんぴょんはねていたわけです。これが極めて良くなかった……
ケンケンしていた左脚の足首を中心に大規模な関節炎に見舞われ、さらにそこに痛風が発症。痛風とは関節炎を起因にして発症するケースがあるようです。その頃、右足の腫れは徐々に引いてきたものの、まだ踏みしめて歩くにはほど遠い状況。で、結局両足が使えないという最悪の事態に。
その後も左脚が治りかければ右脚が傷み、右脚の痛みが収まりかけると左脚が……というループが続いています。現在は両足がほぼ同じくらいの弱い痛みを繰り返している状況ですね。
テレワークで助かった
仕事がテレワークで本当に良かったです。初期の頃は椅子に座っていると血が足にたまって腫れが痛んだので、MacBook Airをマットレスに持ち込んで仕事していました。まあ、痛みで集中できなくて効率は良くなかったですが……普段からテレワークによるチーム作業が当たり前の環境で本助かった。
たまに出社する必要があったときはスタッフに代わってもらい乗り切ったり。ご迷惑をおかけしました。
出前は中華料理がベター
比較的近所とはいえ、スーパーマーケットへの買い出しはできません。すなわち自炊は不可。
結局、結局デリバリーサービスを使用することになりました。
デリバリーサービスといえば「Uber Eats」と「出前館」が二大巨頭なイメージがあります。個人的にUber Eatsを使っていやな出来事があったため、出前館を使用することにしました。ほぼ毎日頼み続けた結果、現在は(不覚にも)スーパーゴッド会員になりました。
この出前館、一見するとたくさんのジャンルがページに並んでいますが、普段自炊で作っているような野菜中心の料理や家庭料理的な和食はありません。そして当然ですが料金が高い。送料も取られますし、まあそういう商売なので仕方ありません。
当初は2〜3日で治ると踏んでいたため、ピザ、寿司、ステーキといった祝祭感あふれる料理を頼んでいました。が、4日・5日・1週間……と長引くにつれ、デリバリー生活にほとほと飽きてしまいました。
出前生活の中で気に入った料理ジャンルおよび店舗のベスト5をメモしておきます。
1位:チャイナ厨房(中華)
実店舗が亀戸にあるそうですが、ここの鶏の唐揚げ、回鍋肉、レバニラ炒めが素晴らしかった。回鍋肉とレバニラは野菜たっぷり(肉もたっぷり)。濃すぎない味付けも良かったです。何よりも安い。レバーは痛風に良くないそうですが、まあそれは置いておいて。
2位:ナポリの窯(ピザ)
以前から信頼しているテイクアウトピザ。他チェーンより上品で食べやすく、ちょうど半額セールをやっていたのも助かりました。過剰にタマネギが入っていないところも好み。
3位:インドカレー全般
4店舗ほど周回していましたが、どれもそれなりに個性があります。ただしタンドリーチキンなどのサイドメニューがものすごく塩辛い店が複数あり、徐々にカレーだけを頼むようになりました。スパイスの辛さならうれしいけど、単に塩辛いのはなあ。
4位:SPALA
パスタのお店。レシートを見てわかったのですが、ナポリの窯と同じ店舗で作っているようです。特にミートソースが素晴らしい。このほかもパスタ専門店をはしごしましたが、個人的にはここが一番に感じました。
5位:ドネルケバブ全般
たまにケバブをローテションに加えると飽きが緩和されます。ピタ入りやラップも良いですが、私が好きなのは肉と野菜のみ。気になる炭水化物を抑えられ、さらに野菜(キャベツ)もそれなりの量でカバーできます。
ただし、基本的にほぼ冷めた状態で届くことを覚悟しなければなりません。仕方なく電子レンジで温めてますが、キャベツまで熱くなるのはやっぱり悲しいなあ。
キャスター付きの椅子が役に立った
両足が使えないけど、部屋の中を移動する必要はあります。そんなとき役に立ったのがキャスター付きのワークチェア。以前購入した「エルゴヒューマン プロ」です。
椅子に座って仕事はできないため(足先に血が溜まって腫れが痛む)、発症初期はもっぱら移動に活用。なめらかな動きのキャスターがありがたかったです。
段差がほぼないバリアフリーな自宅にも感謝。ついでに普段邪険にしていた手すりにも感謝。
ただ、座ったまま移動できるといっても、腕の力で動かせる自走式の車椅子と違います。脚先をちょこちょこと動かして椅子を移動させるため、結局脚に負担をかけていることに変わりません。むしろ良くなかったかも。さらに椅子自体の重さが脚先に無理を強いてきます。
結果、這いずりながら移動するよりは楽でしたが、やっぱり移動が困難な状況は変わらず。車椅子の代わりにはならないと実感。車椅子、今後のために用意しておこうかな……
やる気が起きなくて何もできない
休日も含めまったく外に出ないとなると、さぞかしゲームや読書がはかどるだろうなと思いきや、痛みのせいでそれどころではありませんでした。
とにかく集中できない。何を見ても頭に入りません。こんな状態でややこしい判断や作業を伴うゲームなどできるわけない。もうひたすら寝るしかできませんでした。寝るといっても、腫れているところに布団がすれると絶叫レベルの痛みが走るし……
頭に入らないので読書もだめ。ピアノも脚に血が溜まるので禁止です。日課だった「Fit Boxing 2」などもってのほかです。
それにしても、この歳まで大きなけがや病気ひとつせず過ごしてきたこともあり、身体に不自由があることの辛さがようやく理解できました。
と同時にこれから老後を迎えるにあたり、何か吹っ切れたような気がします。
自分の力ではどうにもできず、しばらく調子悪くて停滞するときもある。そんなとき、素直に受け入れられる諦念というか、覚悟ができたような気がします。