冬に入り、まだ未経験の旬の味覚は何だろうと調べてみると、天然うなぎが秋から冬にかけて旬らしい。ということで天然うなぎのお店を探すも、確定で頼めるところが見つからず。
その後もいろいろ調べてみると、天然うなぎと養殖うなぎとではかなり味が違うことがわかってきました。
──天然うなぎの特徴
・水質……海、河口、河川上流などなど、様々な水質を行き来して育つ。
・エサ……甲殻類、魚類、昆虫などを好んで食べる。雑食のためなんでも食べる。
・見た目……体表が黄色っぽい色を帯びる。──養殖ウナギの特徴
・水質……稚魚の段階から管理された水質で育つため安定している。
・エサ……飼育用の生餌、または飼料によって育てられる。
・見た目……体表が銀色っぽい、青っぽい色に近づく。
これまで自分がおいしく感じてきたうなぎのおいしさは、おそらく養殖うなぎの方でしょう。となると別に天然にこだわる必要はない。
ということで、今回は天然ではなく養殖、ただし国産にこだわることにしました。目指すは養殖うなぎの一大産地、浜名湖を擁する浜松市へ。
予約してうかがったのは、浜松駅から徒歩10分程度の「曳馬野」。店構えからしてすでに名店の風格。
編入前の浜松市中区は曳馬町と呼ばれ、その地名は古代・中世の遠江国から見られます。その地名を受け継ぐ現地のお店で食すうなぎ、なかなか良いではないですか。もちろん当時、養殖はなかったと思いますが。
看板も風情があって良い感じです。久しぶりにフリッカー現象。
予約していたためか、お昼時でしたが誰もいない2階へと通されました。屋内も老舗感があってグッド。昭和の昔は畳座敷だったのでしょう。
本当は「うなぎ膳(松)」(5,500円)を頼むつもりでしたが、あいにく本日は切らしているとのこと。「うなぎ膳(竹)」「うなぎ膳(梅)」はありましたが、「ここまで来て格落ちのうなぎを食べるものなあ」と悩んだ末、「特上うな重」なら納得いくだろうと注文。お値段なんと7,700円。どのみち竹も特上も自分に違いがわかるとは思えませんが……
一緒に頼んだ釜揚げしらす。風味が豊かでおいしい。思わずごはんが欲しくなる。そうか、海が近いんだよな。
ついに来ました。これが特上うな重です。でかい。
中はこんな感じ。1尾分かな。焼き目が輝いている。
予想よりもずっと柔らかくてふわっした食感。箸でさくっと切れるけど身は崩れない。それを口に入れると……なんとも強いうなぎの味! 最高です。タレもしつこくないし、熱々のごはんもおいしかった。
もちろん肝吸いもついてます。肝吸いってこんな濃い味だったのですね。
注文時はそのお値段に腰が引けたり心が痛んだりと大変でしたが、さすがに満足度は高し。完成度高いですね。この味を思い出しながら、明日からまた自炊をがんばっていきたいと思います。