香港滞在中、やたら見かけたのが「冰室」(ピンサ)の看板。コロナ禍前まで、ここまで目立ってなかったような気がします。代わりに茶餐廳(チャーサーテン)をあまり見かけなくなったような。私が滞在した尖沙咀(チムサーチョイ)だけの特質なのかもしれませんが。
Gemini 2によると冰室の方が歴史が古く、冰室に洋食を取り入れたのが茶餐廳だとか。ただしいまレトロブームやSNS映えのために冰室が再び注目集めているそうで、新しい造りの店が多いのはそのせいなのでしょう。
滞在2日目に入った「港里冰室」が私の初の冰室。柯士甸(Austin)駅から九龍駅までふらふら歩いていたとき、コーヒーが飲みたくて立ち寄ってしまいました。 レトロ風の、というかおそらく本物のレトロな冰室と思われます。

そこで以前から気になっていた香港式のフレンチトースト「西多士」(サイドーシー)を注文。
もちろんコーヒーも。うーん、安定のインスタントですね。このカップ、その後他の店も何度か見かけました。

これが香港のフレンチトーストです。

甘い卵液に浸して焼いた日本のフレンチトーストと違い、表面を揚げています。中には(甘くない)ピーナッツバターが。その脂っぽい外側とピーナツバターがよく合います。そしてインスタントコーヒーがうまい。
どうしても甘くしたい人のために、蜂蜜もついていました。

こちらは別の日にうかがった「極上冰室」。ホテルのすぐそばにあったのとスマホから注文可能ということもあり、滞在中は何度かお世話になりました。

この店はレトロというよりファミレス風。

こちらのフレンチトーストはこういういでたち。どこも基本的には同じですね。インスタントコーヒーのカップも共通しています。

分厚い食パンも香港風の特徴なのでしょうか。揚げてあるということもあり、結構食べ応えがあります。

パンの中にはそれほど脂がしみていなくて、意外にも食べやすいのはそのおかげでしょう。
この店にはピーナツバターではなく小豆あんをはさんだフレンチトーストもあります。“揚げあんバタートースト”といったところです。私のような小豆好きにはたまない一品といえます。


小豆つながりで紅豆冰(ホンダウビン)も。小豆+練乳ですね。酒をやめてから、こういうのも平気になりました。

実は滞在中、LINEでパイナップルケーキを土産にリクエストされ「それ台湾でしょう、ここ香港だからw」と一笑に付したところ、その後なんと「パイナップルケーキ」ならぬ「パイナップルパン」と遭遇。極上冰室のメニューには「懐かしの……」といったニュアンスの説明とともに紹介されているので、香港人にはおなじみのパンなのでしょうか。

挟んであるのパイナップルではなくバター。パンの表皮にパイナップル味のクッキー生地がのったもので、メロンパンのパイナップル版といったメニューでした。
というわけで滞在中は、揚げた分厚い食パンを毎日のように食べていました。そりゃ体重が増えたのも当然でしょう。
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