本日も東京は猛暑日ということで、出社前に冷たいそばを無性に食べたくなりました。
向かったのは「いわもとQ神保町店」。
この店ができた当初、足繁く通ったことを思い出します。いまはテレワークで週1回くらいしか出社していないこともあり、この店を含め付近の飲食店へは足が遠のいたままです。
入り口に張り紙が。ここも値上げするのですね。
「ここ数年来、原材料・水光熱費・人件費等の高騰が続き、先々につきみましても収まる気配がありません」
「6月28日(火)から現在の価格より一部を除き20〜30円増とさせて頂きます」
仕方がない、これは受け入れるしかありません。わが広告制作の料金も順当に引き上げられることを祈ります。
というわけでこの店で2番目に安い「たぬきそば」を食券で購入。これまでたしか380円でしたが、410円になっていました。
狭く奥に長い店内に、一人用の小さなテーブルと椅子が並びます。立ち喰いはできません。なぜならこの店は、注文を受けてから茹でたり揚げたりするから、提供まで時間がかかるのです。下手すると食べる時間より待つ時間の方が長かったりします。
でもそのおかげで、そばも揚げ物も一般的な立ち食いとは一線を画すレベル。
BGMは安直なクラシック。多分有線。ちょっと強面のおじさんは今日もワンオペで、その慳貪(けんどん)な感じが嫌いではないです。
(前略)「慳貪」とは、「強いざるの意を表し、始め蕎麦になづけ、次に飯に移り、又、酒に移」ったと『守貞謾稿』にあるように、平椀に盛り切りで、安いことは安いが、世辞愛敬もなく、今で言う、すべてがビジネスライクでてきぱきしており、これが、さっぱりした江戸っ子の気性に受け入れられて、瞬く間に江戸に広まったようです。
花房 孝典. 粋を食す 江戸の蕎麦文化 (Japanese Edition) (p.66). Kindle 版.
「かけ」か「ひや」を選べますが、ここはもちろん「ひや」で。この店のメニューは大抵「もり」「かけ」「ひや」の3種類から選べますが、たぬきそばの場合は「もり」は選べません。「ひや」はぶっかけです。
待つこと5分ほどで出来上がりを告げるおじさんの声が。受け取りに行きます。
セルフサービスのわさび(チューブから出す)が侘しいのですが、たっぷり入れたいときがあるので、個人的には心強いシステム。
しかしここのそばは謎においしい。ちまたの立ち食いとは別レベル。常に茹でたてというのもありますが、価格にしては高クオリティだと思います。
つゆにコクを与えているのが揚げ玉。なかなかふやけず、カリッとした感触がなが続きしています。
そういえば開店当初、揚げ玉が入れ放題だったような思い出があります。今はそんなことありません。
提供まで時間がかかるため、ちょっと立ち寄ってサクっと食べられないのがもどかしく感じますが、その代わりコスパは最高。次の出社時には何を頼もうか楽しみです。