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子どもの頃から謎だった「ホテル花水木」に泊まってみた

小学校3年から高校3年まで、三重県北部で生活していました。その頃に見たテレビCMで、印象に残っているものがあります。それが「ホテル花水木」のCMです。

東海地方以外の方はご存じないかと思いますが、「ホテル花水木」とは、長島温泉に所在する一大レジャーランド「ナガシマリゾート」に属する宿泊施設で、館内の様子が巨大遊園地「ナガシマスパーランド」のテレビCMに付け足しで流されていたのです。それも再三繰り返し。関東でいうところの「ハトヤホテル」ほどメジャーではないでしょうが、東海地区に当時住まわれていた方ならご存じの名称かと思います。

自家用車で1時間もかからず着く場所なので、ご近所さんも同級生ももちろん泊まったことがありません。10代の自分にとって高級ホテルは想像も付かない世界であり、その名前だけが心に残り続けていました。

ということで大人になった今、40数年を経て行ってきました。「ホテル花水木」へ。

泊まったのはおそらく1番ベーシックな「本館和室 次の間付き 標準タイプ」。2食付きとはいえ料金は大人1名1泊4万4,000名。なんと平日です。そりゃ私の生活圏だと誰も泊まりに行かないわ。

名古屋駅、または桑名駅から出ている長島温泉行きのバスに乗り、そこからシャトルバスでホテルの前まで移動します。

つきました。どこか和風で旅館的です。というか後で分かったのですが、ここはホテルなのに、温泉地の高級旅館の雰囲気を味わえる施設なのです。

この電飾、40数年前のテレビCMでも見たような。

広々としたロビーとその廊下に、土産物&コンビニ的な品揃えの店がありました。土産物は見慣れたものがほとんどで、当たり前ですが地元民としてはわざわざ買うほどでもない……。

部屋に入ります。玄関がうちの家のそれより広い。

中は10畳+6畳の和室2間。ベッドがないこともあり広く感じます。まさに旅館といった感じ。

それでいてホテルのように内風呂、トイレ、洗面台を完備。共同トイレ・バスはいやだけど旅館の雰囲気は味わいたい、という人にはうってつけのホテルといえますね。ただし大浴場が目当ての人にとって、内風呂はちょっと必要ないかな。

この内風呂、見た目は普通の家庭用の風呂といった感じですが、蛇口からガチの源泉が出ます。これがめちゃくちゃ熱い。源泉なので当たり前なのですが、これを水で薄めると源泉の意味がなくなるというジレンマ。自然に冷めるのを待ってみたら、1時間くらいかかりました。

繰り返しになりますが、大浴場を使うなら内風呂は忘れてもOK。

窓の外には伊勢湾が広がります。ゆったりとしていて良いですね。真南向きです。夜間にはセントレア空港の明かりも見えました。

エレベーターホールの窓から見た夕景。おそらく実家のある方向、山並みのかなり手前がその場所になります。

夕食まで何もすることがないので、近くのショッピングモール「ジャズドリーム長島」を散歩するなど。ホテルからシャトルバスが出ています。

「ジャズドリーム長島」には1回帰省の途中で立ち寄ったことがあります。今回はこれといって買い物もせず帰投。長逗留するとしたら、ここでホテル内以外の食事をしても良いな。

そうこうするうちに夕食の時間となりました。食事は部屋に持ってきていただけます。

私が泊まったときはこんなお品書きでした。料理長は早川雅章氏。

○前菜
サーモンのブラックオリーブ山椒和え
湯葉とうふ・雲丹ソースかけ
春菊と蟹と舞茸 胡桃酢
南瓜松風
煮穴子と干瓢・焼きセロリ

○吸物
蛤鍋
蕪、平茸、十穀米麩

○御造り
伊勢海老
鮪・間八

○御凌ぎ
吹き寄せおこわ

○焼物
真魚鰹の味噌漬け焼き
ごぼう、銀杏

○温物(ぬくもの・あつもの)
伊勢真鯛と帆立のソテ
白味噌風味のクリームソース

○揚げ物
海老の薯蕷(とろろ)揚げ
柿とコーチンつみれの大葉包み

○肉料理
松阪牛 陶板焼

○食事
富山コシヒカリ

○味噌汁
なめこ みつば

○香の物
浅漬け盛り合わせ

○果物
季節の果物

いやあ、豪華でしたね。味も見た目もさすが。次々と運ばれる料理にいちいち感動、食事中は心躍りっぱなしでした。普段は質素な自炊メシなので、こういうのもたまには良い物です。

特に感動したのがクリームソースがかかった伊勢真鯛と帆立。和食の中に中華仕立てですが、当日の料理長さんは必ず和食以外の1品を入れるのだとか。こういう趣向は良いですね。

食事を楽しんだ後は温泉です。庭園風呂「瀧の湯」に向かいます。途中、館内の廊下にはバーやラーメン屋がありました。バブル期のリゾート施設といった感じ。

「瀧の湯」ですが、なんというか想像を超えていました。ものすごく広い。間違いなくこれまでの生涯で最も広い風呂でした。併設された庭園にも、立派な露天風呂やジャクジーが配置されています。

この豪華な大浴場をなぜか1人で占有。貸し切ったわけではなく、ずっと誰も入ってこないのです。おかげで悠々自適にくつろげました。「箱根水明荘」のときも貸し切り状態でしたが、最近はそういう星の巡り合わせにあるのかもしれません。

翌朝の朝食は食堂で。いわゆる旅館の和朝食です。

鯛の干物をメインに湯豆腐や温泉卵など。

久しぶりに黒豆の納豆をいただきました。見るからに高そう。ごはんがおいしくて何杯もおかわりしてしまった。

食事の後は朝風呂。同じく「瀧の湯」に入りますが、またもや他の客がいない。出る頃になってようやく1名。明るい日差しのもとでの露天風呂が気持ちよかったです。

というわけで、1泊2日の「ホテル花水木」滞在を終了。室内は旅館らしい和室ですが、内風呂やトイレもあり、ホテルらしいプライベート感も確保されています。私のように、「旅館に抵抗はあるけど、たまには和室に泊まってみたい」という方にはちょうど良いのではないでしょうか。外国人も喜ぶかもしれません。食事も素晴らしかった。

ナガシマスパーランドは外から眺めるだけ。喧噪はここまで届きません。

もう少し料金が安ければ、5泊くらいワーケーションで利用したいところです。

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