禁酒して2カ月くらいたった頃、なぜか無性に甘いものを欲しがるようになった自分。それまで甘いお菓子はそれほど好きではなかったのですが……
きっかけは「スプラトゥーン3」の回転焼きvs大判焼きvs今川焼きフェスのとき、盛り上がったついでに今川焼きを買ってしまったことか。53歳になり初めてそのとき、あんこのおいしさに目覚めたのです。
その後はスーパーの和菓子コーナーにふらふらと引き寄せられ、値下げシールを血眼で探す日々。とはいえ和菓子はあまりにも高価。糖分への欲望を抑えることにも慣れていき、次第に和菓子から意識が離れていきました。
そんなある日。岡山市に出張した際、先方が持たせてくれたお土産が「大手まんじゅう」だったのです。
大手まんぢゅう。日本3大饅頭のひとつとされ、岡山県で180年の歴史を誇る、饅頭界でもことさら有名な存在です。私はこれまで甘いものに目を向けてこかったので、実はこの年まで存在を知りませんでした。
ちなみに大手まんぢゅうの「大手」とは、岡山城下の大手町が発祥の地だからとのこと。なるほど。
自宅に戻ってから食してみますと、これがものすごくおいしい。大切に食べたつもりですが、ついつい手が伸びてしまい、いただいた分はすぐになくなっていしまいました。
思えばこれがいけなかった。あんこへの欲望がふたたび持ち上がり、スーパーで安物の和菓子を探す悪しき生活に戻ってしまいました(お土産をいただいたこと事態に恨みはありません。私の意思が弱すぎる)。
とはいうものの、1度大手饅頭のクオリティを知ってしまったこともあり、スーパーの安い和菓子ではどうも満足できません。小豆の風味は感じるのですが、何かが違う。こうなったら本物を買ってしまえ、と通販で取り寄せたのが今回のネタになります。
注文したのは「大手まんぢゅう」の製造元、株式会社大手饅頭 伊部屋の公式サイト。会員登録なしでも購入できます。
購入したのは大手饅頭15個入り。価格は税込1,458円で1個あたりは97円。スーパーの1点ものの和菓子とそんなに変わらないのですが、実は大きさが違います。さらに送料990円が加わり計2,448円を支払いました。
届きました。しっかりした箱に入っています。歴史を感じる意匠ですね。和菓子を食べるわくわく感が増します。
箱を開けるとこんな感じ。
ひとつずつかわいらしく包装されています。
饅頭といっても厚い皮に包まれているわけではありません。甘酒と小麦粉で作られたごく薄い生地が覆っているというかまぶしてあるというか。
右は小さじの計量スプーン。こんなに小さいのですよ。でもそれが良い。
スーパーで109円で売っているヤマザキ吹雪まんとの比較。全然大きさが違いますね。
つぶあんのためか野趣あふれる小豆の風味が楽しめる吹雪まんと比べると、大手まんぢゅうはものすごく上品な味。大きさは4分の1程度ですが、これはこれでものすごい満足度です。なんというか、1個ずつ大切に味わって食べたくなります。あんこ自体の品質の良さもありますが、おそらく薄皮との取り合わせの良さもあるのでしょう。
ヤマザキ吹雪まんと違い、大手まんぢゅうを食べるときはちゃんと熱いお茶を入れて食べるようにしています。和菓子への愛おしさがいや増すような、そうした体験を与えてくれるのです。
あえて難点を挙げるとすれば、高品質ゆえの賞味期限の短さでしょうか。届いたのが5月19日(日)で、包装に記してあった期限日が5月23日(木)。実質5日間で食べ切らなくてはなりません。公式ページに記された賞味期間は7日なので、流通で2日間ロスしているのでしょう。正直、一人暮らしで15個入りは多すぎたかもしれません。
にわかの甘党の私が言うのも何ですが、あんこが好きな方にはぜひ食べて欲しい和菓子。糖分は避けて生きているのですが、どうなることやら。