9月上旬、茨城県日立市大みか町に6泊しました。目的は太平洋から登る朝日を撮りたかったからです。というより、海の見える部屋で仕事をしたかったのが本当のところ。日程のほとんどが平日で、要はワーケーションの意味合いが強い滞在でした。夜明けと共に起きて撮影、その後は仕事、早めに寝てまた夜明け前に起きるという生活です。
公共交通機関としてはJR大甕駅が最寄りになります。駅の周囲はやや寂しく、飲食店も4店くらいしか見当たりません。基本的には車社会で、日中歩いているのは小学生くらいでした。

海に突き出た高台にある日立灯台。当初はこのあたりで撮影するつもりでしたが、下木が邪魔で別の場所に。

宿泊したのは日立ホテルクレイン。海まで徒歩で(なんとか)行けるロケーションで、ミニストップも付近にあります。さらに部屋が改装直後という点が決め手になりました。

実際に入室してみると、部屋は確かにきれい。ログ材の香りが漂い落ち着く感じです。ユニットバスなど一部は改装前から変わっていなく古さを感じる者でしたが、自分としては十分なクオリティです。


海が見えます。思ったより遠かったけど、窓からチラリと見えるだけでも自分にとっては非日常の景色です。

洗濯機は150円、乾燥機は100円。電子レンジは1階ロビーに。フロントは24時間ではないものの、朝4時30分にはエントランスの鍵は開いていたので、実質的に出入りは自由でした(本当は鍵を預けるルール)。
食事はもっぱらサンユーストアーおおみか店の総菜に頼りました。こういう地方のスーパーの総菜、好きですね。もちろん総菜ではなく食材を買って自炊すればもっと安くすむのですが、部屋に設備がないので仕方ありません。あと、東京のスーパーで見かけないパンと和菓子も毎日の楽しみでした。

仕事を19時くらいに終えて、夜の住宅地をサンユーストアーまで通いました。片道で徒歩10分くらいの距離です。街灯がない歩道にも慣れたし、すれ違う人が居ないのはなかなかに快適。意外と坂がきつい道のりでしたが、それも運動と思い受け入れました。
朝は4時30分に起き、歩いて15分程度の海岸へ。いいかんじの防波堤を見つけ、毎日そこを中心に撮っていました。

それにしても、この水平線の先、はるかかなたアメリカ大陸まで陸地がないのかと考えると、何だかそら恐ろしい感覚に見舞われます。ここから先はどうやっても先に行けない、オープンワールドのゲーム的には最果ての地です。地元の人はこの景色が日常なわけですが、どんな感覚で幼少期を過ごしたのでしょうか。
ワーケーション自体は昨年11月の松江滞在である程度体験しています(本当は休暇だったのに)。今回はフルタイムでしっかり働き、それなりに仕事もはかどりました。
反省点としては、Wi-Fiが弱くてオンライン会議でクライアントに迷惑をかけたこと。映像を消しても、私は途切れ途切れでオフラインになっていたらしい。部屋に有線LANポートがあったので、LANケーブルとUSB LANアダプターを持ってくればと後悔することしきりです。
ここぞとばかりCT-S300を持ち込んで、毎朝弾いていました。デスクが横に長くてよかった。楽しい。

何よりよかったのは、日の出前に起床し、夜9時台にベッドに入る生活の心地よさです。3日目くらいから身体の中から活力がわいてくるのを感じました。もっとも、客先への往訪や取材など、1週間人と会う用事がなかったからこそ可能だったわけで、常に実現できるものではありません。さらにこの生活を10日も続けると、それはそれで別の疲れが出たような気もします。
とはいえ、老後の働き方について少しイメージが湧いてきたような気がします。現状、都内で人と会うのも重要な仕事の要素なので、長期間東京を離れるのは現実的ではありませんが、将来的には窓から見える景色を変えつつ、移動しながら仕事をするスタイルも可能に思えます。移動とホテル代に見合う働きができれば、の話ですが。


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