インパクトある名前の料理、「けの汁」を食べてみる

旅行

せっかく弘前に来たのですから、ぜひ食べてみたい料理がありました。1つが「津軽そば」で、もうひとつが「けの汁」。名前的に怪しげなこの「けの汁」、津軽地方ではわりあいメジャーな郷土料理とのこと。ホテルの近くに提供している店がないか探してみると、すぐ近くの「菊藤」で食べられるということで訪店してみました。

昭和2年のカフェ営業からこの地で歴史を紡いでいるというだけあり、立派な店構えです。11時の開店と同時に入ります。

注文したのは、津軽地方の郷土料理をメインとする「ふるさと定食」(1,530円)。「けの汁」に加え、同じく郷土料理の「いがめんち」がついてきます。「いがめんち」は「揚げ」「焼き」のどちらかを選択可能。「揚げ」の方が人気とのことで、私もそれをお願いしました。

お盆を俯瞰したところです。昨日の「野々庵」に続き、今日もまた豪奢な昼ご飯になりました。

こちらが「けの汁」です。ここのは味噌仕立てでした。醤油ベースの「けの汁」も存在するようです。

高野豆腐、大根、にんじんなど、角切りされた具が想像以上の量でぎっしり入っています。細かい粒は大豆かな。全体的にほっくりしておいしい。これはご飯が進む味でしょう。といっても辛すぎることはなく、むしろ塩分は控えめに感じました。しかも肉・魚が入っていないというヘルシーさ。

「けの汁」という変わった名称ですが、「かゆの汁」がなまったものとされます。粥=け、から来ているのとか。粥の割には米や小麦などの炭水化物が入ってなく、大豆の粒がそれを代用している感じ。やはりヘルシーです。

そして「いがめんち」ですが、名前から推察されるとおり、イカのメンチカツです。イカと小麦粉を練って揚げたものでしょう。ふわっと柔らかく、面白い食感です。

そしてこれにもキャベツなどの野菜がしっかり入っています。柔らかいイカ&小麦粉と、野菜のしゃっきりした歯触りの対比が面白い。メニューにある「いがめんちカレー丼」も食べてみたくなりました。

津軽そばではなく、一般的なそばがついてきました。緑の薬味はカブの葉とのこと。辛みが鮮烈。大根おろしも地方らしさと好感を覚えます。

東北地方の料理といえば、塩分が多くて辛いイメージがありました。しかし、「けの汁」「いがめんち」ともに、意外にも薄味で食べやすかったです。昨日食した「津軽そば」の焼き節のつゆもそうでした。広大な東北地方には当然のごとく多様な味付けが存在していて、塩辛いと一概に決めつけることは部外者の浅はかな考えといえましょう。

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